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速成寺法話集
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十王経 其の三

・死後の次の二週間目の事 
(三途川の事〜その1)

三途川とは、

あの世とこの世に

またがって流れる大河です。

経文には、その川幅は

四十由旬(約320キロ)と、

記されています。

この川には、

三つの渡しがありますので、

三途川と申します。

 

上の渡しを、

浅水瀬といいます。

ここは浅く

水も膝元をこえません。

比較的、罪の無い人が

この浅瀬を渡ります。

 

中の渡しを、

橋渡といいます。

ここには、

金銀、七宝で飾れた

美しい橋が架かっています。

善人だけが、

この美しい橋を渡ります。



下にある渡しを、

強深瀬といいます。

悪人はここを渡ります。



今回は三途川の強深瀬わたる

悪人の姿を描きます。



強深瀬の流れは、

矢のように速く、

波の高さは山のようで、

まるで津波です。

波の中には様々な毒蛇がいて、

死者を喰らいます。

また上からはゴロゴロと

大きな岩が次々流れ落ち、

死者の体を粉々に砕きます。

砕かれては蘇り、

生き返ればまた砕かれます。



たまらず水の中に

逃れようとすると、

底には大蛇が大口をあけて

死者を呑もうとします。

浮かぼうとすれば、

鬼や夜叉が矢を射かけます。

このような苦しみが

七日七晩続きます。



十王経には、

『死後の二週間目には、

 死者は三途川を渡る。』

とあります。



余談ですが、

この三途の川は、

生前に自分が他者に対して

与えた歓びや苦しみを

一身に、受けるところ

ではないかと思うのです。



生きていたとき、

自分は苦しくても、

誰かが喜んでいた

とすれば、

その他者の歓びが、

自分の死後の

三途の渡し賃になる。



だから、

善人はお迎え付で

宝の橋を渡って

三途川を渡り

凡人は浅瀬を、

えっちらほっちら

自力で渡り

悪人は、

強欲なことをして

盗み奪い取り、

他者を苦しめるので

その与えた苦しみが、

三途川での苦しみとなって、

死後に、のしかかって

返ってくるのでしょう。



釈尊は申します。

『すべての生き物が、

 自分を愛しく想っている。

 自分に置き換えて

 他の生き物を見たとき、

 どうして傷つけることが

 出来ようか。』と

さて、この強深瀬を

渡った悪人には、

向こう岸で鬼が

待ちかまえています。

地獄の鬼は鉄棒をもって

死者を追い立て打ち砕き、

岸辺には刀をもった鬼が、

岸に上がろうとする

死者の腕をつかんで

引き上げては斬り裂き、

人間世界では

絵にも描かないような事を

行います。



この恐ろしさは

見るに耐えず、

死者はもはや

死ぬことさえ許されません。



また三途の岸に、

大きな木があり、

これを衣鈴樹(いりょうじゅ)

といいます。



この木には、

鬼の老夫婦がおります。

鬼の老夫妻は、

死者を睨みつけて

服を脱ぐように命令します。



そのとき悪人は、

「これは、もはや私の

 たった一枚の衣服です。

 お願いです、どうか、

 どうか許してください。」

と手を合わせ、

頭をすりつけて懇願します。

しかし鬼は言います。

「馬鹿な奴だなお前はどうせ

 地獄の炎に焼かれるのだ、

 ここで衣服を

 惜しんだところで

 皆焼けて無くなる。

 はやく服をぬげ。」と



そして鬼の老婆は、

もの凄い力で

悪人の衣服を剥ぎ取り、

木の上にいる鬼の翁に

渡すと、鬼はこの衣服を

衣鈴樹の枝にかけます。



この衣鈴樹の枝というのは、

人の罪の重さを計る秤に

なってまして、

悪人の衣服をかけると、

その罪の重さで折れんばかりに

枝がしなります。



ここにきて、すべての悪人は

鬼に衣服を取り上げられて、

裸になります。



生前は金銀財宝を

蔵に山と積みあげ、

四季の服を楽しみ、

華やかに飾りたて、

従者や家族親族に愛され、

毎日 楽しく

暮らしていたのに、



冥土の中陰の旅に出てからは

付き従う者はなく、

たった独り裸のまま

迷いながら

行かねばならないのは、

あまりに哀れで

悲しい有様です。



たとえ、

この世で栄華を極め、

億万の軍勢の主となり、

天下を治めたとしても、

あの世の旅路に

付き従う者はなく、

独り闇の道を

いかねばなりません。



あるいは、たとえ天上に

羽ばたく比翼の鳥のように、

襖をとも枕を並べて、

火にも水にも同じと、

深い契りをかわした

男と女といえども、

人の命は、露ほどもなく、

あの世とこの世をへだてる、

無常の別れに助けることも

連れ添うことも出来ず、



死出の旅路は、ひとり

行かねばならないのです。



その別れの苦しみは、

いいようもありません。



さて、死者はそれぞれに

三途川を渡り、

初江王の庭にたどりつき、

その御前に立ちます。




三途川の事〜その2につづく
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