仏  話

速成寺法話集
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クンタンのヨーギ

11世紀前半のチベットに

ミラレパ(1040-1123)という

偉大な聖者がおりました。

ミラレパは詩人でもあり、

多くの詩をのこしています。

まずは、その詩の一遍を



城や人であふれた街は

今おまえが住みたいところ

だが、この世を去ったあと

それらは廃墟と化す


自尊心や虚栄は

今おまえがすがりたいもの

だが、死のときには

隠れ家にも逃げ場にもならぬ


親族や同族は

今おまえが一緒に暮らしたいもの

だが、この世を去るときには

みな後に遺さなければならぬ


召し使いや富や子供は

今おまえが持っていたいもの

だが、死のときには

何も持たずに行かねばならぬ


元気と健康は

今おまえが持っているもの

だが、死のときには

おまえの死体は包みにされて運ばれる


内臓と血肉は

今きちんと働いているもの

だが、死のときには

おまえの自由にならぬ


甘くて美味しいものは

今おまえが食べたいもの

だが、死のときには

おまえの口はよだれを流す


これらのことを思うとき

わたしはブッダの教えを

求めずにはいられない

この世の楽しみや快楽は

わたしには何の魅力もない





ミラレパは言います

一切の世俗の追求は、

悲哀という唯一のさけ難い

必然の結末を持っている。

積めば尽き、作れば破れ、

会えば別れ、生まれれば死ぬ。

この事を知って人は最初から、

優れた導師の命令に従って、

生も死も無い

真理の成就に取りかかるべきである。



ミラレパの生涯は

幾多の絶望と悲嘆と裏切りと

喪失の繰り返しであったと

伝えられています。


裕福な家に生まれたミラレパでしたが

幼いときに父を亡くし

その財産を伯父に奪われます


遺った母と妹と3人家族で、

伯父の一家に

奴隷のような生活を強いられ

その復讐から、ミラレパの母は

なけなしの財産をはたいて

必死の思いで、

ミラレパに黒魔術を学ばせます。


家族とはなれ、その術を学ぶミラレパ


やがて青年となり、

黒魔術を修得したミラレパは

伯父の35人の家族を滅ぼします。

復讐の成就に歓喜した母が

ことの顛末を言いふらしたため

ミラレパは命を狙われます


ミラレパ自身、

自分の犯した罪業に苦悶し

魂の救済を求め、

真実の教えを求めて旅立ち

やがてマロパに弟子入りします

マロパは非常に厳格で

理不尽な師でした。



何度も城を建てさせては、

完成間近で取り壊しをさせ

何を行ってもすべて否定され、

ミラレパが求める教理などは

何一つ教えてくれませんでした。

ミラレパの心は打ち砕かれて、

何度か逃げ出し、

絶望から死のうともしました


しかし、それは師のマロパが

ミラレパが後に背負うものの

重さに耐えうる為に

ミラレパの罪業を浄化するために

何度も、何度も

絶望する必要があった
ため

行っていた事であることを

知ったミラレパはやがて

マロパの導きのもと

功徳を積んでその教えを

成就します。



長くなりましたが

最後にクンタンのヨーギ、

ミラレパの言葉でしめたいと想います。

合 掌


財産や富は露草のようなもの

これを識り、

人は喜んでそれらを捨てるよう


閑と価値を持った人として

生まれた事は最も尊い事

これを識り、

人はあたかも己の目をいたわるかのように

注意して教えを守るよう


怒りは悪趣(畜生・餓鬼・地獄)

へ堕ちるもと

これを識り、

人は身の危ういときでさえ

憤りを差しひかえるよう


自他の利益は

怠惰をもって成就することはない

それ故、善行に励むよう


混乱し迷う心は

大乗の真理を見る事が無い

それ故、集中を修めるよう


ブッダは捜して見つかるはずがない

それ故、己の心を熟視せよ


ーミラレパ
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