仏  話

速成寺法話集
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起承転々

高見順の短編小説に

「起承転々」

というものがある。

そのあらすじは、


雲水(旅の修行僧)が

無住の寺に宿を求めたとき

村のものが、あの寺は幽霊が出るから

やめたほうがいいと雲水に忠告する

昔、あの寺には

漢詩好きの老僧が住んでいたが

寂々寒山寺 更無一個僧

寂しく寒い山の寺 更に一人の僧も無し

という漢詩の起と承を詠んだが

どうしても転と結の句が

想い浮かばないまま

この世を去った

それからー

誰もいなくなった寺に

幽霊が出るようになり

人も寄りつかず

荒れ寺になってしまったという

夜半、村人の制止も聞かず

この寺に泊まった雲水の前に

寂々寒山寺 更無一個僧

寂しく寒い山の寺  更に一人の僧も無し

と起承の句を詠んで

後が出ないと、嘆息する

老僧の幽霊が出た

その雲水は、

すかさず転結の句を詠む

風払空楼箒 月成古殿灯

風は空楼を払うホウキ 月は古殿の灯と成る

老僧は微笑んで、静かに合掌し

掻き消すように見えなくなった



数多の無念を見送り、立会い

御霊を開放するのが、僧侶の役目

老僧の執着を

みごとに解き放つ転迷開悟の

雲水のアイデア

誰もいないさびしい寺だけど

風はホウキとなって落葉を払い

月は古い本堂の灯火になっている


この小説の雲水に

仏法の奥を見た気がした

そんな、お釈迦さんの誕生日の砌

合掌
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